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営業キャッシュフローと営業利益の違いを解説
「現金が大事なのはわかっているけど、キャッシュフローと利益の違いはよくわからない」——そんな疑問にお答えします。 両者は本業のもうけを示す点では同じですが、キャッシュフローは現金でいくら儲けたか、利益は会計上いくら儲けたかを示す点が異なります。
営業キャッシュフローと営業利益は、本業のもうけを示す点では同じですが、営業キャッシュフローは現金でいくら儲けたかを示しているのに対して、営業利益は会計上いくら儲けたかを示しています。 もっと簡単にいうと、営業キャッシュフローは現金主義、営業利益は発生主義で計算されています(現金主義と発生主義の違いもあわせてご覧ください)。
営業キャッシュフローって何?
営業キャッシュフローは、キャッシュフロー計算書上に出てくる表示区分の1つです。 キャッシュフロー計算書は、正確には「営業活動によるキャッシュ・フロー」「投資活動によるキャッシュ・フロー」「財務活動によるキャッシュ・フロー」の3区分からできています。ここでは「営業活動によるキャッシュ・フロー」のことを営業キャッシュフローと書いています。
損益計算書は、1年の間にどれだけ収益が出たか、どのような費用が出たかを表しているのに対して、キャッシュフロー計算書は1年間で何に現金を使い、どこから現金が入ってきたのかを表しています。 その中で営業キャッシュフローは、本業である営業活動からどの程度現金を稼いだかを表しています。
営業利益って何?
営業利益は、損益計算書の表示区分です。式にすると、次のとおりです。
営業利益=売上-売上原価-販売費及び一般管理費
営業活動からどれだけ収益を上げたか(売上)を計算し、そこに直接かかる費用(売上原価)と間接的にかかる費用(販売費及び一般管理費)を差し引いた残りが営業利益です。
営業キャッシュフローと営業利益の違い
どちらも営業活動から生じた本業でのもうけを示していますが、収益や費用の計上時点と現金の入出金時点にはずれがあるため、違いが出ます。具体的な取引で見てみましょう。
業種は小売業とします。9月に商品を100万円売上げました。全てクレジット決済だったため(実際はありえませんが)、入金があるのは10月末です。 9月中に仕入れが50万円、9月分の人件費20万円、9月分の家賃10万円がかかり、費用はすべて現金で9月中に支払いました。8月末の在庫が10万円、9月末の在庫が5万円でした。
この場合の9月末時点の営業利益はいくらでしょうか。
| 売上 | 100万円 |
| -売上原価(8月末在庫10万円+9月仕入50万円-9月末在庫5万円) | 55万円 |
| -販売費及び一般管理費(人件費20万円+家賃10万円) | 30万円 |
| =営業利益 | 15万円 |
次に、9月末時点の営業キャッシュフローはいくらでしょうか。
| 売上入金 | 0円 |
| -仕入支払 | 50万円 |
| -人件費支払 | 20万円 |
| -家賃支払 | 10万円 |
| =営業キャッシュフロー | ▲80万円 |
営業利益はプラス15万円ですが、営業キャッシュフローはマイナス80万円でした。 このように、計上と入出金のタイミングの違いにより、営業利益と営業キャッシュフローには差が出ます。
黒字倒産に気をつけましょう
黒字倒産とは、会計上利益は出ているのに倒産してしまうことです。キャッシュフローと利益は一致しないため、たとえ利益が出ていてもキャッシュフローをないがしろにしてしまうと、会社は資金繰りに行き詰まってしまいます。 極端な話、会計上赤字だったとしても、会社にお金が潤沢にあればつぶれることはありません。利益も大事ですが、現金の視点も同じくらい大切です。
まとめ
事業主であれば、常に資金繰りのことは考えているものですが、イレギュラーなことは意外と抜けがちです。 たとえば、源泉所得税の納期の特例で半年に1回まとめて所得税を納める、赤字だから消費税も払わなくていいと思っていたら消費税の納付が発生した、といったケースです。 キャッシュフロー計算書はあくまで過去の出来事を見える化したものですが、資金繰り表のように将来の出来事を見える化しておくことも重要です。